なぜソーシャルはスゴイのか。ソーシャルで何が変わるのか。
昨年はソーシャル元年的に色々なものが流行りました。
「ソーシャルネットワーク」の公開から日本でも本格的にfacebook人気に火が付き始め、
3月の震災ではmixiやtwitterの存在感がとても大きかったです。
mixiが世界でも例のないソーシャルアドをはじめたのも去年ですし、
最近のスタートアップブームも、Webサービス系やソーシャル連携が無いサービスのほうが
珍しいような状況です。
じゃあ、なんでソーシャルがすごくて、その結果世の中がどう変わるのか、
業界的には当たり前の話が多いですが、まとめ的に書かせてください。
なぜソーシャルはスゴイのか。
それは情報を伝達するコストが圧倒的に安いからです。
クチコミに乗れば、情報やサービスが一気に拡散する。
僕は既存の検索やポータルを中心とするネットを一般道とすると、
その上に高速道路を引いたようなイメージを持っています。
インフラとしてはWWWがあるんですが、情報流通のインフラとして高速道路網みたいのが
一個新しく出来たような感じですね。
ZyngaはFacebook上で月間1億人以上が使うゲームをあっという間に作り上げました。
Grouponが、新しい流通の形を作っています。(最近危ない話もあるけど)
Lady gagaのFacebookページはエラい人数になってますね。
でも、どんなサービスでもソーシャルで流行ってるわけではありません。
この画期的な「高速道路」を乗りこなすのにはコツがいりそうです。
ソーシャルで情報を伝達するには、人の「感情」を揺さぶらないとといけないのです。
これは当たり前の話なんですが、当たり前じゃない。
ソーシャルで情報が拡散する過程は、バケツリレーに似ています。
リツイートだったりシェアだったり、情報を次の人に伝える時に、
「伝えたいな」と思わせられるかどうかが全て。
その差が1%だとしても、情報は1:nで伝播され、さらにそれが累乗になるので結果が全然違ってきます。
ですから、既存サービスにソーシャル導線を乗っけるのではなく、
「人に言いたくなる感情を呼び起こせるか」という視点から逆算して、全てのサービスを
を構築することが、ソーシャル時代では正解だと思います。
流行ってるサービスはだいたいその辺うまいですよね。
人の感情をネットに乗っけやすくなったからソーシャルはスゴイ、と置き換えることもできます。
ではつぎに、ソーシャルになって何が変わるのか。
(1)あらゆるサービスが「ソーシャル前提」で組み直すことで爆発的に広がる可能性がある。
「楽しい!」「嬉しい!」「自慢したい!」「勝ちたい!」
人の感情なんて昔からそうそう変わりません。
一昨年〜去年は、ソーシャル村的なWebサービスが中心でしたが、これからはコマースや
広告、リアルビジネスにもソーシャルの波が来るでしょう。その時もポイントは「感情」です。
(2) 感覚的な発想重視の時代に。
「得」とか「効率」ではなく「楽しい」や「カッコイイ」といったキーワードが重要。
「5%得した!」は人に言いたくないけど「イケてる写真が撮れた!」は人に言いたい。
PintarestやInstagramは効率良くないです。でもカッコイイから流行る。
(3)Love economyへ。
これは昨年4月のTECLOSION 2011 SpringでEvernoteのCEO、Phil Libinさんの話ですが、
経済がScarcity basedからLove basedに変わってきている、と。
「なんとなく好き」だからそのサービスに「いいね!」するしPaypalでお金も払う。
と、こんなことが重要なんじゃないか、と思ってます。
(2)と(3)を新たな常識としつつ、(1)を考えていくと、
結構、世の中ひっくり返るなー、と思ってるんですが、いかがでしょうか??
そんなこんなで今年もソーシャルソーシャル言ってると思いますがよろしくお願いします!